
SBI証券のデイトレ用「日計り信用」にて保有した建玉を、その日中に決済するのを忘れて持ち越してしまった…。
こういう場合って、次の日どうなるのかな?
別途手数料や金利が掛かってくるのかな?
うっかりやっちまったなあ、、、、ハア、、、
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- SBI証券の「日計り信用」を持ち越すとどうなるのか?
- 手数料、金利、貸株料について
- コールセンター手数料とは?具体的な金額
- 15:30までなら間に合う!「現引」を使って強制決済を回避する方法
- 大引けまでに見れない可能性があるなら「引成」しておくと安心

私のYouTubeにて質問内容が多かったので、記事にしてみました!
うっかりミスをすると結構痛い損失になるので、日計り信用は必ず当日中に決済するようにしましょう!
それさえ守れば、手数料・金利(貸株料)が無料なのでメリットが大きいですから。
なお、YouTubeでも分かりやすく紹介しているので、ブログor動画 お好きな方をご覧ください。
【SBI証券】日計り信用を持ち越すとどうなる?手数料・金利は?
結論から簡潔に言うと、「翌営業日に強制返済&めっちゃ高い手数料が掛かる」です。
具体的には…
(後述しますが)日計り信用を持ち越してしまい、かつ15:30を超えてしまった状態ですと、もう翌営業日の強制返済の時を待つしかないですね。
特に回避する方法はありません、、、

自分も日計りで買ったことを忘れていて、
うっかりやっちゃった経験があります↓
手数料支払い額が本当に痛いので、日計り信用は絶対に持ち越さないよう注意してください。
順に詳しく解説していきます。
翌営業日の前場寄付で、当該建玉を強制返済
公式サイトにこのように書いてあります。
一般信用「日計り信用」取引の取引手数料は無料です(インターネットコースのインターネット取引が対象)。日計り信用では新規建を行った当日の大引けまでに建玉が決済されなかった場合、原則として当社の任意で翌営業日の前場寄付で、当該建玉を強制返済いたしますが…(略
大引け=15:00までに決済できていない場合は、翌営業日に強制返済ですね。
超初心者の方向けに補足すると(多くの方がご存じだと思いますが)
「翌営業日」は「翌日」ではないです。
株式市場は基本的に土日祝日は休みなので、基本的に「次の平日に強制返済」ってことですね。
例えば金曜日に保有→持ち越し→土日を跨ぐ→月曜日に強制返済となると、売却手数料は変わらないのですが、後述する“金利”や“ハイパー料”は保有日数分発生するので注意が必要です。
強制返済時はコールセンター手数料が適用
説明文の続きです。
強制返済時においては、コールセンター手数料(インターネットコースのお客さまの電話による注文の手数料)が適用されますのでご留意ください。

強制返済時は「コールセンター手数料が適用」って、
具体的にどのくらいなんだろう?
出典:SBI証券公式サイト お電話によるご注文手数料 のページを見ると分かります。
ページ下部ですね。分かりやすいよう抜き出します。
日計り信用は「一般信用」の部類になりますので、この手数料が適用されます。
1注文の約定代金 | 手数料 |
---|---|
~50万円 | 2,000円(税込2,200円) |
~100万円 | 3,600円(税込3,960円) |
~150万円 | 4,400円(税込4,840円) |
150万円超~ | 6,400円(税込7,040円) |
1注文の約定代金は、「株価×株数」で求められます。
例えば株価3000円の銘柄を300株持っていたら、「3000×300=90万円」というわけです。
90万円の場合ですと、手数料は「~100万円/3,600円(税込3,960円)」となります。
安くて2200円、高くて7040円のコールセンター手数料が掛かります。
普段無料の範囲内でやっている方からすると、めちゃくちゃ高いと思います…。
翌日以降は約定金額にかかわらず買方金利 1.80%(年率)、貸株料 1.80%の支払いが発生
日計り信用は普段のように当日中に返済すれば「金利無料」ですが、翌日以降は金利が発生します。
これは、通常の信用取引と一緒ですね。
一般信用(日計り)取引で新規建を行った当日中に建玉が決済されなかった場合、翌日以降は約定金額にかかわらず買方金利 1.80%(年率)、貸株料 1.80%(年率)の支払いが発生しますのでご注意ください。

金利1.80%って具体的にいくらなんだろう?
結構高いのかな…?
と心配になる方もいると思いますが、コールセンター手数料に比べたら微々たるものです。
この「金利1.80%」はあくまでも“年率”です。
つまり、1日分に直すなら365で割ればよいわけでして…
0.018÷365=約0.0049%となります。
例えば先ほど3000円×300株の90万円の場合で考えると…
90万円×0.0049%=約44.1円/日 の金利が発生します。
ここで先述した“翌営業日に返済”ということが関係してきまして、例えば長期連休と被ってずっと株を保有した状態になると、金利が日数分かかってしまうというわけです。
HYPER空売りの場合は、別途HYPER料も日数分発生

なお、持ち越してしまった日計り信用の売建玉が「ハイパー空売り」を利用していた場合、「ハイパー料」も日数分かかってきます。
ハイパー料は、銘柄によって変わってきます。例えば執筆時現在だとこんな感じ。
「HYPER料」は1株当たりの値段。例えば100株の空売りを入れているなら、「×100」をしたハイパー料が掛かってきます。結構高いですよね。
あらためて持ち越しだけはダメ、ゼッタイです。(笑)
15:30までなら間に合う!「現引」を使って強制決済を回避する方法

日計り信用の「買建玉」を保有したままうっかり大引けを迎えてしまった時、15時30分までなら強制返済を回避する方法があります。
「現引」を使えばよいのです。
初心者の方向けに説明を加えていくと、現引きとは…
信用取引による買付けを行っている場合において、顧客が、買付代金相当額を証券会社に渡して融資を返済し、担保となっている買付株券を引き取ることをいいます。
引用:JPX 現引きとは
要するに分かりやすく言うと、「証券会社にお金を貸してもらって取引していた“買い建玉”を、自分の資金で買い取ることによって、現物株として保有するよ!」みたいな感じです。
現引きをすることで日計り信用分の建玉も「現物株」として保有しなおすことができます。
※もちろん、日計りの買建玉を現引きするだけの資金がないとできません。
SBI証券の現引き可能時間帯はこのようになっています。
現引注文の注文可能時間・取消可能時間
現引注文は、営業日の0:00~15:30までに発注された注文を当日注文としてお取扱い(当日約定)し、15:30以降は翌営業日注文としてお取扱いします(翌営業日の約定)。
赤字で強調しましたが、現引きは大引け後の「15:30」までなら当日約定として扱われるんですね。
これを利用して、もし日計り信用の買い建玉を持ち越してしまった場合でも、15:30までにスグ気づけば強制返済による手数料の支払いを回避できるよ!というテクニックです。
※ただし、大引け時に建玉の返済注文が出たまま(未約定)ですと、現引きできない可能性があるため注意です。

言い換えると、15:30を過ぎてしまったらもう何もできません…(笑)
大引けまでに見れない可能性があるなら「引成」しておくと安心

日計り信用の「うっかり持ち越し」をなくすために、不安なら「引成」注文を入れておくと安心です。
うっかり持ち越してしまう理由はいろいろあるんですけど、例えば「後から株を決済するつもりが、時間がなくて取引できなかった…」みたいなこともあるでしょう。
会社員の方なら、「急用でいつもの時間に休憩が取れなかった…」とかね(笑)
そんな感じで、「もしかすると株を触れないかも…」という可能性があるのなら、建玉を保有した時点で一旦「引成注文」を入れておくと安心です。
引成注文とは…
引けにのみ成行注文が執行されることを条件とした注文です。
前場引け前に発注された引成注文は、前場の引けにのみ有効となります(後場には引き継がれません)。
前場終了後から後場引け前に発注された引成注文は、後場の引けにのみ有効となります。
要するに、注文を入れたのが前場なら前引け(11:30)、後場なら大引け(15:00)に、成行注文が勝手に執行されるよ!という執行条件付き注文になります。
ひとまずこの注文を入れておくと、もし株を触れなかった時でも引けに成り行き注文で決済されるので、持ち越しの心配がないってわけです。
もちろん、株を触れた場合は注文を取り消しすればOK。
参考ページ→SBI証券 株アプリでの注文方法
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【SBI証券の日計り信用を持ち越すとどうなる?手数料・金利は?】
- 翌営業日の前場寄付で、当該建玉を強制返済
- 強制返済時はコールセンター手数料が適用
- 翌日以降は約定金額にかかわらず買方金利 1.80%(年率)、貸株料 1.80%(年率)の支払いが発生
- +ハイパー空売り銘柄の場合は「ハイパー料」も日数分の支払いが発生
- うっかり持ち越してしまったら、15:30までなら「現引」で回避できる
- 株を触れない可能性があるなら、「引成」注文をしておくと安心
というわけで、少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました!