こんにちは、かけるです。
先日株を始めたばかりの友人から、このような質問がありました。
ちょっと書き出してみます。
…といった内容ですね。
株の注文は“お金”が絡んでくるので、しっかり理解しないまま注文するのは心配かなと思います。
本記事にて「初心者はどちらを使うべきか?」「注文の違い」を解説しますので、よければ参考に取引を始めてみて下さい。
株初心者は「指値」「成行」どっちがオススメ?【特性の違い】
先に結論からお伝えすると…
「どっちがオススメ!」という言い方はできません。
それぞれ特性の違う注文方法になるので、状況や目的に応じて適した注文が変わるからです。
「何か食べる時にフォークかスプーン、どっちがおすすめ?」と聞かれても、何を食べるかが分からなければ答えられませんよね。
それと一緒です。
ただそれだと注文方法に迷ってしまうと思うので、
ひとまずこんな選び方をすると決めやすいかなと思います。
ちなみに私は、最初の注文は「成行」で行いました。
「とりあえず株を買ってみる」という経験をしたかったからです。
「指値」か「成行」にするかは、そう深く悩まなくていいと思っています。
初めて株を買っても、それをずーーーーと持ち続ける必要はないからですね。
まずは実際に注文をしてみて、株を買ってみて、“流れ”に慣れることが大事です
株ではウン十万円という大きな額を動かすので心配する気持ちも分かりますが、そう不安に思わなくても大丈夫じゃないかなと思います。
なぜかというと、株は買った後にすぐ売れるからです。1秒後だって売れます。
「買った位置が悪かったな…」と思えば、一度売却(損切り)すればいいだけの話です。
例えば100株50万円の株を買ったとしても、すぐ売却すればほぼ50万円が手元に戻ってきます。
普段の買い物とは違って、50万円で株を買ったからって「50万円」を失うわけではないのです。
約定代金が10万円だろうが、100万だろうが、考え方は同じ。
買った瞬間の損益はゼロで、そこから時間が経つにつれて評価額が変わって損益が発生します。儲かったり損をしたりするわけです。
なので個人的なアドバイスとして、「初めて買う時から“利益”を求めるのではなくて、“買い方”を覚えるために注文してみる」という、気軽な感じでいいと思います。
※あ、もちろん投資は自己責任にはなりますけどね。
多分、初心者がどれだけ考えたところで「最適な買いポイント」でエントリーするのは難しいと思うので。(笑)
「指値」と「成行」の違い【板を見て考えよう】
というわけで、注文方法はどちらでもOK。
ただ注文の際に必ず確認して欲しいのが「板状況に目を通すこと」です。
指値でも、成行でも、ザっと目を通しておいた方が良いです。
なぜなら注文は“板”を通じて行われるからです。
まず、「指値」「成行」の違いについて復習をしましょう。
■成行注文 :値段を指定しない注文。いくらでもよいから買いたい(売りたい)といった注文方法。
■指値注文:買い、または売りの値段を指定する注文。買いの場合は上限値(●円までだったら買いたい)を、売りの場合は下限値(●円までだったら売りたい)を指定する注文方法。
引用:SBI証券
ここの理解は大丈夫ですか。
基本中の基本になるので、はじめに押さえておきましょう。
ちょっと深掘った質問をしますね。
※パッと答えられればもう読み進める必要はないので、実際の注文に挑戦してみてください。
【質問】
- 成行で買い注文を入れた際、約定するのはどこですか?
…正解は「最良売気配(一番安い売り気配)」です。
今の株価である「現在値」ではありません。
答えられた方は、恐らく約定までの流れをある程度理解していると思います。
分からなかった方は、「板」を見てこれらの注文を理解していきましょう。
私も最初は分からなかったので、知らなくても全然大丈夫です(笑)
成行注文の板の動き
こちらが「板」で、左側にあるのが売り気配、右側にあるのが買い気配です。
→最良売気配が3212円に200株の売り注文があるので、おそらく3212円で約定します。
※ただし成行の特性上、思わぬ変動をする場合あり。
現在値と同じなので、購入価格にビックリすることは無いと思います。
「3212円くらいで買えるはず?」と予想していた購入価格だと思いますので。
では、こちらの板状況だったらどうでしょう?
現在値(最後の約定価格)は1650円です。
100株の買い注文を成行で出したらいくらで約定するでしょう?
正解は[1654円]です。
あらためて、「最良売り気配(一番安い売り気配)」だからです。
もし「現在値(1650円)で買えるはず」と思って成行注文をしたのであれば、実際の約定価格は4円(100株で400円)の差が出るわけで、「あれ、予想よりも高く買っちゃった」となるわけです。
4円ならまだ差は少ないですが、例えば自分が発注する直前に他社の注文が入っていた場合、もっと大きな差が生まれる可能性があります。
これこそが成行注文の特性です。
「今すぐ、値段を指定せずに買える」けど、「思わぬ価格で約定してしまう可能性がある」というデメリットの意味が理解できたでしょうか。
だから、成行注文をする際でも必ず「板」に目を通して欲しいんですよね。
株価が「1,2,3,4円…」と連なって、注文株数も多いような“詰まっている板”だったらいいのですが、中には「1,5,13,20円…」と間隔が大きく空いている板もあります。
板を見ずに成行注文を行うと、現在値とは大きく離れた価格で約定してしまうかもしれません。
なので注文をする前には板にサッと目を通して、どのくらいの注文が出ているか?を必ず確認するのをオススメします。
指値注文の板の動き
指値注文は「自分で株価を指定する」注文です。
株価が落ちてくるのを待つイメージですね。
例えば↑の現在値3212円の状態で、「3205円」に指値の買い注文を入れるとします。
つまり、「3205円まで下がってきたら、ようやく株が買える」ということです。
ただ、株はより高く買う人から順に約定していきます。
3211円に600株,3210円に4100株,3209円に4800株…と「買いたい人(指値を入れている人)」が既に待っているわけなので、これらが先に約定していきます。
※もちろん、予想に反して株価が上昇していったら買えません。
順調に3205円まで下がってきたら、いよいよ自分の買い注文が約定する番です。
しかし、3205円(指値価格)になったからと言って、すぐに約定するとは限りません。
同じ価格で注文を出した人がいれば、「早くから注文を出している人」から順に約定していくからです。
先ほどの例でいうと、3205円に買い指値を出す時にはすでに「4500株」の買い注文が入っています。自分より先に並んでいた人たちですね。
なので、(このままの板状況であれば)3205円になってから4500以上の売り注文が出てこれば、自分の買い注文と約定し、株を買うことができます。
指値は「希望の株価で買える」というメリットがありますが、成行と違って「待つ」必要があったり、「買えない可能性」もあったりします。
以上が成行と指値注文の違いです。
初心者の場合概要は理解していても、実際に板での動きまで理解している方は少ないと思います。
「板でどうなるか?」「どこで約定しそうか?」を把握するために、注文の前には板に目を通した方が良いですね。
さいごに
というわけで、「指値」と「成行」は特性の違いがあります。
「初心者だからどっちを使うといい」というわけではないこと、理解できたでしょうか。
シーンや板状況に応じて使い分けるものだからです。
大金を動かすので「失敗したらまずい…」と思うかもですが、そんなに心配する必要はないですよ。
もしエントリーポイントを間違えたと思っても、株はすぐ売れますから。やり直せますから。
一回取引をしたくらいでは分からないと思います。
何度も取引を繰り返す中で覚えていきましょう。
「実際に取引すること」…これが一番の勉強です。
【取引に関する質問】
初めて株を買ってみようと思うのだけど、注文方法は「指値」「成行」どっちを使えばいいの?
勉強をして、それぞれの違いについてはザックリ理解したつもりなんだけど、「結局どっちがいいのか?」が分からなくて…。